平成25年度税制改正で、相続税の見直しや贈与税の最高税率引き上げなどが行われたことで、相続に関する負担はより増加することが考えられます。不動産を所有している場合には、相続税率の軽減、納税の軽減、遺産分割などのことを考えて、しっかり相続対策を行う必要があります。
相続税対策
相続税の対象となるのは全体の5%と言われ、
「相続税のかかる財産×相続税率=納める相続税」
の計算式で求めることができます。
相続税は軽減措置を上手く活用すれば、税額を少なくすることが可能です。配偶者には「贈与税の配偶者控除の特例制度」が設けられており、この場合、居住用不動産購入時、結婚して20年以上という条件を満たしていれば2,000万円まで贈与税は発生しません。
所有不動産を賃貸にすると、不動産評価が通常よりも下がり課税価格を引き下げられます。その他にも生命保険への加入・死亡退職金などには非課税枠が用意されていますので、相続税がかかりません。
納税資金対策
納税資金対策は相続税を抑えながら、資産を継承させる方法です。アパートやマンションなどの収益が望める財産を子供に贈与しておけば、家賃収入が子供へ移転します。
金融資産を将来に亘り抑えることができ、納税資金が準備できます。不動産所有者が生命保険に加入し、受取人を相続人にしておくことで、相続人に死亡保険金が入り、納税資金に当てられます。
相続人が相続時に納税で困ることがないように準備しておくことが可能です。
遺産分割対策
遺言は不要な相続争いなどのトラブルを防ぐ必要な措置です。遺言がないと残された遺族の間で争いが起きる可能性があります。円満な遺産分割のためにも、遺言書の作成は必要不可欠です。
また、暦年贈与を活用して長い期間をかけて複数の方に贈与すれば、大きな効果が得られることはもちろん、「相続時精算課税制度」を利用するのも有効的な手段となります。
相続税対策・納税資金対策をしなければ税制の大きな負担を抱えることになり、遺産分割対策を行わなければ相続争いなどのトラブルが予測されます。しかし、これらの相続対策をしっかりと行うことで負担やトラブルを避けられます。